高校生とスポーツと教育
「男子新体操部涙の大感動スペシャル!」と銘打ったV6の番組「学校へ行こう!MAX」の1企画を目にした。高校生男子新体操の"高校三冠"(高校選抜、インターハイ、国体)を達成しようと三冠目の国体に向けて練習を続ける男子新体操の名門「神崎清明高校新体操部」を追った企画だった。僕も食事をとりながら何気なく見ていたのだが、途中から部員達がデモンストレーションでV6のメンバーに披露した。
技に目を奪われた。とにかくすごい!あんな動きが出来るモノか?しかも男子新体操の妙だというチームによるコンビネーションやシンクロナイズドされた動きはこれが高校生の動きか?と思うくらいの正確さで繰り広げられる。思わず箸を止めて見入ってしまった。終わった瞬間に「すげぇ」と声が漏れたくらいだ。
そこまでは単純にすごいモノだなぁと感心していただけだったが、そこからの展開が気になった。いや、正直に言えば気に入らなかった。部員達の中で怪我を、しかも非道い怪我を押して活動している部員がいるのだ。それを顧問も担当医も容認しているような口振り。両親も本人も良いと言うから、という部員の足首は満足に曲がらない。もう一人の部員は腰椎剥離で10分座っていれば痛くなると言う。確か医師が言っていたと思ったのだが、番組のレポーターの「本当は練習できませんか?」の問い掛けに「半年は運動禁止ですよ。(普通は)」と応えているのだ。
こんなことがたかがと言っては本人達には申し訳ないが、高校生の活動で許されるのだろうか?プロスポーツ選手として活動しているのならば、僕も口を挟む余地はない。それ相応の覚悟と言い方は悪いが得られる見返りがあっての活動と思うことも出来る。しかし、彼らは高校生であり当然アマチュアであり、いわば教育の一環としての部活動である。将来的に新体操を生かして大学に進学するのか実業団があるのか知らないが、いずれにしてもそこまでの怪我を押して大会に出場しなければならないのだろうか?美談の様に持ち上げる番組のホームページにある煽り文句はこうだ。
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「17年という短い生涯を終えた友のため・・・」
男子新体操 全国大会 涙の完全密着スペシャル!
驚異の空中演技、圧倒的なバク転で観客を魅了する
アクロバティックスポーツ男子新体操。
今年、高校男子校新体操のビッグタイトル、
全国選抜・インターハイを2連覇したのが佐賀県立神崎清明高校。
残り1つ、国体で優勝すれば史上4校目の快挙となる!
しかし、そんな超名門襲った突然の悲劇。
それは、共に頑張ってきたチームメイトが交通事故で
帰らぬ人に・・・。
亡くなった友がいつも口にしていた言葉、それは
「部員22人全員で3連覇しよう」
友との約束を果たすため、部員達は最後の戦いに挑む!
しかし、ハードな練習で彼らの体は限界に・・・。
曲がらぬ足首、痛み止めを打つ腰。
果たして大会の結末は!?
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死んだ友との約束、それは良い。美談だ。僕もそう言うのは嫌いじゃない!いや、目を潤ませて感動するタイプだ。しかしそれはあくまで健康な体の高校生が目指すべき目標だと思う。怪我を押して出場しようとする生徒がいたら体を張ってでも止めるのが高校生を指導する顧問であるべきではなかろうか?チームドクターの仕事は未成年の身体を薬で誤魔化しながら大会で成績を求めることなんだろうか?
彼らの栄光の裏側にある代償はあまりに大きくはないだろうか?せめて、彼らの怪我が、キズが少しでも完治に近くなることを祈りたい。